入っていたとて、何?と思うんですけど。
ナチュセラソープとナチュセラローションに界面活性剤は
入っていますか?とのご質問がありまして。
昨今は「界面活性剤ガー」という過激派は見ないなーと思っていた
わけですが・・・
創業して最初のほうは、「界面活性剤ガー」ってメッチャ言われたんよな。
この成分がダメだのなんのって盛んに言われていた時代です。
ほんの10年前の話です。
全成分が表示されるようになり、特定の成分をネガキャンして、
自社の製品の優位性を示そうってな戦略です。
他社の脚を引っ張ることで、自分を上げようってなわけさね。
当時はその情報を鵜呑みにして、ワーワー言ってたわけですが、
消費者も賢くなっており、昨今はそんな情報に踊らされることは
少なくなり、この手のネガキャンは鳴りを潜ていたはずなんすけどねー
さて、まずは界面活性剤とはなんぞやって話から。
界面近傍では界面自由エネルギーが高くなり不安定化するので、
界面はできるかぎり表面積を小さくしようとする(界面張力)。
ひとつの分子内に親水基と親油基をもつ両親媒性の化学構造をもつ物質が
界面上に並ぶことにより、この不安定な状態が緩和される、
つまり界面自由エネルギーが小さくなる。このような特性をもつ物質を界面活性剤という。
(Wikipediaより引用)
ちょっと何言ってるのかわかんないと思いますが、
簡単にいうとコップに水を限界までいれると表面がコップの淵を超えて
浮いた状態になります。これが界面張力ってやつ。
で、この山なりになっている水面を水平にする特性をもつものを
界面活性剤って呼ぶよってこと。
構造的には親水基と疎水基をもっているって認識でもOKです。
化粧品では主に2つの用途で使われます。
1つは洗浄剤。洗顔剤、シャンプーなどに含まれます。
もう1つは乳化剤。水と油を混ぜるときに使います。
では、なぜ界面活性剤が悪者扱いされるようになったのか?
まあ、何度も書いているのでご存じの方は多いと思いますが、
ヒト試験にて肌のバリア機能の回復効果を見る際、
試験の工程で意図的にバリア層を破壊することをします。
その時に使われるのがラウリル硫酸ナトリウム(SDS)です。
シャンプーでよく使われる洗浄剤で、界面活性剤の一種です。
SDSが肌のバリア層を破壊する→SDSは界面活性剤→界面活性剤は悪い物だ
ってな論法で「界面活性剤=悪」として情報を拡散したのが原因。
SDSは特に洗浄性、脱脂性、刺激性の強い界面活性剤で、
すべての界面活性剤がバリア層を壊すかといわれれば、
当然そんなわけはないです。
例えばレシチンは界面活性剤ですが、細胞膜を構成する成分です。
当然、レシチンが肌のバリア層を壊すなんてことはないです。
界面活性剤といわれるものはものすごい種類があって、
ピンキリなんですわ。
SDSでバリア層を壊すのだって、高濃度で塗布するわけで、
通常はそんな濃度で使用することなんてないです。
界面活性剤=悪とする考え方自体、間違った認識であると
ご理解いただければ幸いです。
SDSのようなものもあれば、安全性が高いものもあり、
界面活性剤と一括りに語るのはナンセンスです。
界面活性剤が含まれない石けんは存在しない。
界面活性剤が含まれていない石けんがあるのであれば、
是非とも教えて欲しいところではありますが、
それはもはや石けんではないです。
石けんで汚れを落とす成分は何か?
他でもない界面活性剤なわけ。
石けんは脂肪酸と強アルカリ(水酸化Na、水酸化Kなど)を反応させることで、
作られます。これを鹸化と呼ぶわけですが、
その反応で脂肪は脂肪酸とグリセリンに分けられ、
脂肪酸はナトリウムと反応して脂肪酸Naとなります。
これが所謂界面活性剤って奴です。
石けんがアルカリの状態でないと洗浄性が維持できないのは、
脂肪酸とNaの結びつきよりも、中和反応のほうが強いからです。
酸性の物質とNaがくっついてしまって、脂肪酸だけとなり、
親水基と疎水基をもつという界面活性剤の構造が取れなくなってしまうからです。
同様に硬水では泡立たないっても金属イオンがNaと結合してしまい、
界面活性剤の構造ではなくなってしまうから。
お肌は弱酸性といわれており、肌の上では洗浄性が徐々に低下していきます。
どの程度まで洗浄性を維持させるかって調整が、石けん作りの肝となります。
ご質問の答えは、ナチュセラローションには界面活性剤は含まれていません。
油分が存在しないので乳化の必要がないからです。
ナチュセラソープは石けんなので、当然含まれます。
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