なんか色々ごっちゃになってるんだと思うよ
なんとも不思議な図ではありますが・・・
ノンシリコンシャンプーなのにシリコンシャンプーと使用感が変わらないのはなぜ?
その理由は界面活性剤で髪をコーティングしているからなのだ!
ってな主張。
うーん、大丈夫か?
界面活性剤の構造は親水基と疎水基でできており、
文字通り親水基は水に溶けて、疎水基は油に溶けます。
シャンプーを使うのは基本的には水で落ちない汚れを落とすため。
疎水基の部分が汚れに刺さって、表面にでている親水基が
水に溶けて洗い流されるわけ。
で、一番最初の図のなにがおかしいかというと、
この状態は水で洗い流せるわけよ。
洗い流していない状態でもこうはならんのですが、
洗い流した状態では絶対にこうはならん。
おそらくではありますが、ここでいっている界面活性剤ってのは
カチオン界面活性剤(陽イオン界面活性剤)のことだと思われます。
界面活性剤の種類はざっくり4種類に分類されるんですが、
親水基に電荷をもっているものが存在します。
一般的に洗浄剤となるのは陰イオン界面活性剤となります。
両性界面活性剤や非イオン界面活性剤は起泡性や洗浄性を補助する
ために用いられます。
化粧品とかの乳化剤はほとんどが非イオン界面活性剤です。
髪の表面は微弱なマイナスの電荷を帯びております。
ですので、陽イオン界面活性剤はプラスとマイナスで引き合い、
髪の表面を覆うことになります。
実際はこうなります。
疎水部分が外にでるわけですね。
ただ、プラスとマイナスの電荷は引き合うというわけですから、
アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤は混在すると、
相殺しあってしまい、基本的には一緒には入れれません。
そこで使用されるのがカチオン性高分子。
ポリクオタニウム-10がそれに該当するのですが、
ほぼすべてのノンシリコンシャンプーに入っているといっても過言ではないです。
ポリクオタ二ウム-10も髪に残留するといわれますが、
実際のところは水で洗い流されてしまいます。
基本水溶性なんでね。
すすぎ時の指通りをよくして、きしみを抑えるくらいで
コンディショニング効果はほぼないです。
もちろん、すすぎが甘いと残ってしまいますが。
で、話を戻しますが、昨今はカチオン界面活性剤をシャンプーに
配合できるところが出てきたってのは事実としてありまして。
どうやっているのかは、正直わからんのですが、シャンプーの使用後に
カチオン界面活性剤で髪を覆うってことが起こり得るわけ。
まあ、だいぶ特殊ですけど。
本来はカチオン界面活性剤はトリートメントに配合されるもの。
疎水基が外を向いている状態なので、シリコーン油との相性もよいです。
カチオン界面活性剤が電気的に髪と結びついて、その上からシリコーン油で
コーティングする形は、非常に強固な膜となります。
これを落とすにはかなり高い洗浄性が必要となります。
シャンプーは洗浄性がマイルドなのに、トリートメントは
カチオン界面活性剤+シリコンの最強コンビでは
そりゃ蓄積するよねって話で。
なぜなのか分からんけど、シャンプーが悪いって論調が多いけど、
本来の問題はトリートメントのほうにあると思うわけよ。
ぶっちゃけ、シリコンシャンプーのシリコンって
すすいだ後はほとんど残らんのですわ。
カチオン界面活性剤もおそらくはほとんど残らないと思われます。
実際問題はね。
もう少しトリートメントについて議論が行われてもよいような気が
しないでもないかも。
【関連記事】