角栓とケラチン17とアクネ菌

角栓の原因は皮脂ではない・・・?!

ナリス化粧品の研究のお話になるのですが、

角栓にはケラチン17というタンパク質が含まれており、

ケラチン17の増加にはアクネ菌が関与していることを

突き止めたそうな。

 

で、ケラチン17の発生を抑制することができれば角栓が減るだろうという考えから

ケラチン17を抑制する独自の成分を作り出したそうな。

それがダイズエキス。

ダイズエキスなら何でもいいってわけではなくて、特定の条件下で

抽出したダイズエキスでないとダメなんだとか。

残念ながら、この条件ってのは公開されていません。

 

ケラチンってのは髪や爪に多く含まれるタンパク質の一種。

こんなもんが角栓に含まれてたら、そりゃ頑固なわけさね。

 

元々は古い角質と皮脂が混ざり合って、角栓ができていると考えられてきましたが、

古い角質にはケラチン17は含まれていません。

ですので、毛穴で何か起こっているというわけなのです。

 

角栓の量はアクネ菌の量に比例して多くなる傾向にあることを見出し、

アクネ菌がケラチン17の生成を促すことがわかりました。

どういう理由でどういったメカニズムでケラチン17が発生するのかは

ちょっとわからん。

 

ケラチン17のノックアウトマウスを作成したところ、

肌理、毛包形成が抑制されたとのこと。

また、ケラチン17を抑制すると細胞増殖も抑制されることから、

肌とっては重要なタンパク質であるともいわれています。

 

おそらくはアクネ菌が多いと角栓ができやすいってのは間違いなくて、

ケラチン17が少なければ角栓は少ないとはならんと思われます。

 

まあ、この辺の真偽はとりあえず置いておいて、

そのダイズエキスに角栓を減らす効果があるのかどうかってのが重要なわけ。

 

実際のデータは特殊抽出したダイズエキス+イソプロピルメチルフェノール

を2週間使用した結果、角栓が20%減少したとのこと。

 

うーん、まず言いたいのはイソプロピルメチルフェノールを加えていない

データがないってのはどゆこと?

ダイズエキスにケラチン17を抑制する効果があるって話よな?

ケラチン17が抑制されれば、角栓が減るって考えてたんですよね?

これではダイズエキス単体では効果がなかった?と勘くぐってしまいます。

 

イソプロピルメチルフェノールは殺菌剤で、アクネ菌を殺すことで

数を減らすというもの。

幅広い菌に効果を発揮することから、肌の常在菌の菌叢を破壊することとなり、

広範囲への使用や長期使用は控えるように言われているものです。

 

まあ、アクネ菌が減るので角栓も減るわけ。

 

この20%角栓が減ったってのは、単純にアクネ菌が減ったことによるもので、

ダイズエキスって意味あるの?ってのが個人的な感想。

 

アクネ菌の量と角栓の量には正の相関があるってのは間違いないのですから、

アクネ菌が減れば、角栓が減るのは、まあそりゃそうよねとしか。

 

なぜ、単体のデータを示していないのか?

理由は簡単。

ダイズエキスに意味がないからです。

おそらく、イソプロピルメチルフェノール単体のデータも取っているとは思いますが、

+ダイズエキスとの間に有意差はなかったと思われます。

 

まあ、こういうデータってのは不都合なところはカットされがちですので、

よくある話ではありますが。

しかもヒト試験ですので、結構なお金をかけているわけですから、

無意味でしたってことはあってはならないわけよ。

 

 

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