小胞体ストレス下では正常な分化が起こらない
アルビオンとお茶の水女子大の共同研究での研究成果となります。
Endoplasmic reticulum stress inhibits adipocyte differentiation of mesenchymal stem cells
最初はシー・アクトがまた新しい論文だしたんかなーと思ったのですが、
全く関係ないところから小胞体ストレスという言葉がでてきたのでちょっとびっくり。
小胞体ストレスとは、簡単に言うと正常なタンパク質が作れず、
不良タンパク質が蓄積している状況のこと。
小胞体は核のDNAを元に作られたアミノ酸鎖を折りたたんだり、装飾したりして、
タンパク質を完成させる役目があります。
小胞体に何らかの異常があると、正常なタンパク質が作られず、
不良タンパク質が作られます。
本来はこの状況下を改善する仕組みが備わっているのですが、
その仕組みが作用していない状況が起こると小胞体ストレスが起こります。
この論文では小胞体ストレス下では、脂肪由来幹細胞は脂肪細胞へ分化ができないこと、
炎症性サイトカインが異常に産生してしまうことを突き止めたという内容。
加齢に伴う脂肪組織の減少や皮膚組織で増加する慢性炎症の一因が
小胞体ストレスであることを示唆していると。
脂肪由来幹細胞とは、皮下脂肪に含まれる幹細胞で、多能性幹細胞の一種。
こんな感じで色々な細胞の素となります。
小胞体ストレス下の脂肪由来幹細胞は、脂肪細胞への分化が起こらないことが
確認されました。
小胞体ストレスにより、脂肪由来幹細胞から脂肪細胞への分化スイッチが入らず、
脂肪細胞へ分化できなくなっていることが原因だとわかりました。
おそらくは分化スイッチとなるタンパク質が存在しており、
こいつが小胞体ストレスで正常に作られない結果、
分化が行われないってことなんだと思われます。
さらに、脂肪細胞への分化に失敗した脂肪由来幹細胞は、
炎症性サイトカインを異常に産生しており、老化に伴う
慢性的な炎症の原因なのではないか?と考えられるとのこと。
おそらくは小胞体ストレス下の原因となる細胞を排除するための
メッセージなんだと思われます。
老化細胞が出すサイトカインと同じなのではないかな?
まあ、小胞体ストレスを緩和させることは抗老化では非常に重要って
のは間違いないのですが、その根拠となるデータの1つになると思われ。
さてさて、これを受けてどのような商品展開していくのか興味深いです。
何かしら小胞体ストレスを緩和する成分を見つけてくる(すでに目途が立っていると思いますが)
のでしょうが、それが何なのかってのは気になるところ。
正直、ペンタデシルが小胞体ストレス緩和効果が高くて、
コスパも神がかってるので勝負になるのかと。
あっちはこの分野では何歩も先にいっているからねえ・・・
ちょっと突っ込んだ話になるのですが、ヒト幹細胞培養液って
昨今色々あるじゃないですか?
それこそ脂肪幹細胞ってのも使われています。
この培養液って色々な成長因子などなど含まれており、
お肌にとって非常に有用であるとされていますが、
分化スイッチとなるような成分は含まれているのでしょうか?
含まれているでのあれば、小胞体ストレス下では非常に役立つと考えられるのですが、
おそらくは含まれていないだろうなーと。
理由は幹細胞が分化していないから。
分化してしまったら、幹細胞培養液ではなくなっちゃいますからね。
意図的に抑えられているか、分化させる条件ってのがあるのかは定かではないですが、
少なくともこの実験では脂肪由来幹細胞が分化しているわけで。
何にせよ、ペンタデシルを配合するメリットは大いにあるってことです。
マジでコスパよいので、是非入れるべきだと言っておきたい。
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