ファンケルが推している成分
ファンケルがキリンの子会社となるってのが話題となっていますが、
そんなファンケルが今最も力を入れているのがチオレドキシン。
チオレドキシンって何?
チオレドキシンとは105個のアミノ酸から構成される低分子量の酸化還元タンパク質で、
すべての生物に存在しています。
TRXってのがチオレドキシンになります。
チオレドキシンには酸化型と還元型があり、体内で行ったり来たりします。
ファンケルは酸化型チオレドキシンを不活性型と呼び、
還元型チオレドキシンを活性型と呼んでいます。
チオレドキシンを守り、回復させることが鍵だとのことですが、
まあ、勝手に酸化還元を繰り返すんですけどね。
基本的には活性酸素を除去するための抗酸化物質として働きます。
ファンケルはチオレドキシンが基底細胞に働きかけ、ターンオーバーを
促すほか、線維芽細胞に働きかけコラーゲンやエラストンの産生を促すことを
見出したわけです。
また、チオレドキシンが多いほど、肌が若々しく見えるとのことで
化粧品に添加しましょうって話になるわけですが・・・
チオレドキシンを謳う製品の全成分表示にはチオレドキシンは見当たりません。
実際の表示はサッカロミセス/コメ発酵液
米を酵母で発酵させた液にチオレドキシンが含まれているわけです。
2点気になることがあるのですが、1つは色々なデータをとっているのですが、
これはチオレドキシンを使ったのか、サッカロミセス/コメ発酵液を使ったのか
って話。
前者と後者では全然話が違ってくるわけですよ。
おそらくではあるのですが、チオレドキシンを単体で抽出はできていると思います。
実験もチオレドキシンを直接使用していると思います。
つまり、前者ってわけね。
となると、この製品にエビデンスとして出しているデータと同様の効果が
見込めるかといわれると・・・ちょっと怪しくなります。
もう1つは、じゃあなんで直接チオレドキシンを添加しないのかってこと。
技術的には可能だとは思います。
これも推測ではあるのですが、特許の兼ね合いなのかなーと。
韓国の会社かな?がチオレドキシンを配合した化粧品の製造に
特許を取っているみたいなのよ。
大手ですから、この辺はしっかりしているので、特許を侵害しない形で
製品化を余儀なくされ、コメの発酵液を使うことになったのではないかと。
チオレドキシンはすべての生物がもっているタンパク質ですので、
当然細菌や菌も持っています。
つまり、サッカロミセス/コメ発酵液でなくても、発酵液であれば
大なり小なりチオレドキシンが含まれると考えられます。
コメヌカを麹で発酵させた発酵液があるのですが、
似たような効果が確認されており、おそらくチオレドキシンが
含まれているからなのかなーと。
チオレドキシンが含まれていることを確認しているってことは
一定の価値はあるとは思いますが。
チオレドキシンとしての原料は2種類存在しており、
1つはPUREOXINという原料でオリゴペプチド-4と表示されます。
植物性チオレドキシンとのこと。
植物は光合成をするため日光に浴びます。
そのため光合成には活性酸素がつきもので、これを処理するために
葉緑体に多くのチオレドキシンが存在します。
ぶっちゃけ、植物のほうがチオレドキシンが多いかもしれません。
もう1つは遺伝子組換大腸菌チオレドキシン-1と表示されるもの。
文字通り遺伝子組換えで大腸菌に作らせたチオレドキシンになります。
こちらは登録だけされていますが、製品化はされていないようです。
こちらは特許に抵触する可能性があります。
あとは庄内美人というお酒を化粧品原料にしたコメ発酵液にて
チオレドキシンが含まれる旨が記載されています。
日本酒にも含まれているようです。
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