· 

酸性セラミダーゼは老化細胞の生存を促進する

セラミドがアポトーシスに関わるからって話なんだと

老化細胞は代謝活性を保ったまま分裂を停止し、炎症性サイトカイン(IL6、IL8等)

を分泌する細胞老化随伴分泌現象(Senescent-associated secretory phenotype)を起こします。

これにより、周りの細胞にストレス、ダメージが入り、周りの細胞も老化細胞になります。

まるでゾンビに襲われた人がゾンビになるみたいなので、老化細胞のことを

ゾンビ細胞と呼ばれるようになっています。

 

老化細胞の根本的な原因はDNAの損傷によるもので、従来の細胞とは異なる

遺伝情報を持った異物を増やさないようにする仕組みが老化細胞になります。

老化細胞化しなかった異常細胞のことをガン細胞と呼び、生命維持に致命的となります。

老化細胞は発ガンを未然に防ぐための仕組みってわけ、なくてはならないものではあります。

 

とはいえ、老化細胞の蓄積は碌なことがなく、様々な疾患を引き起こすし、

当然美容面でもシワ、たるみ、シミなどの原因となります。

 

 

そんな老化細胞に酸化セラミダーゼが関わっているということが示唆されており、

老化細胞が除去されないのは酸化セラミダーゼが原因かも・・・って話。

Acid ceramidase promotes senescent cell survival

 

酸性セラミダーゼは酸性条件下でセラミドをスフィンゴシンと脂肪酸に分解する酵素。

セラミド分解酵素であるセラミダーゼは7種類が確認されています。

 

酸性セラミダーゼ(ASAH1) 

・中性セラミダーゼ(ASAH2, ASAH2B, ASAH2C) 

・塩基性セラミダーゼ1(ACER1) 

・塩基性セラミダーゼ2(ACER2) 

・塩基性セラミダーゼ3(ACER3)

どれも細胞の生存に関わっており、非常に重要な酵素です。

 

老化細胞は単純に何度も分裂させ、自然発生的に老化細胞化したものと

放射線をあてて強制的に老化細胞にしたものを用意して、その共通項を探した結果、

酸性セラミダーゼが共通して増加傾向にあったと。

 

老化細胞内で酸性セラミダーゼの遺伝子が活性かしているほか、

酸性セラミダーゼが安定的に存在していることが確認されています。

 

また、酸性セラミダーゼの発現阻害剤を使用すると、

老化マーカー(p16、p21、p53)が減少し、老化細胞の減少が観察されたことから

酸性セラミダーゼが老化細胞を生存させていることが示唆されました。

 

 

要するに、酸性セラミダーゼを減らすことが老化細胞を減らすことで

必要になるのでは?ってこと。

いつまでも老化細胞が居座る原因は酸性セラミダーゼだってね。

 

そもそも、酸性セラミダーゼは細胞生存には欠かせないもので、

セラミドの蓄積はアポトーシスを促すためです。

アポトーシスとは細胞の自然死であり、プログラムされた死でもあります。

 

本来、駆除されるべき老化細胞はアポトーシスが誘導されるので、

セラミドの蓄積が起こるようになっているはずなのですが、

なぜかそれに抗うように酸性セラミダーゼをたくさん作って

セラミドを分解しているってのは不思議です。

 

炎症性サイトカインを分泌するのも、免疫にアピールして

処理してもらうためなのに、まるで生に執着しているようにも見えます。

 

 

まあ、目的は老化細胞の除去で、老化細胞除去剤と酸性セラミダーゼ抑制剤を

併用することで、細胞除去を効率的に行えるのではないか?

と考えているみたいです。

 

あとは、ガン細胞のアポトーシス誘導にも応用できそうではあります。

 

化粧品でもセラミダーゼを抑制することでセラミドの量を増やすということ

をしているところもあるので、そういう方面での原料を探してみるのもありかな?

まあ、炎症を抑制すればセラミダーゼは抑制できますが。

老化細胞の周りは炎症が誘発されているので、セラミダーゼが増えるってのは

必然ではあるのかもね。

 

 

【関連記事】

老化細胞を減らすサプリ

SOLWEED(ソルウィード)

<<<前          次>>>