水の代わりに使われる原料の作り方
化粧品のほとんどは水が大部分を占めます。
基本的には純水、もしくは超純水を使用し、成分表示には「水」と
表示されることとなります。
ほとんどが水なのに、あんな値段をつけるなんてぼったくりだ、
と頭の悪そうなことをいう輩がいるのですが、それを逆手に取って
成分表示に「水」ではない表記をすることで、
美容成分が大半を占めているように見せることができます。
分かりやすい差別化ってやつですわ。
そんな原料を紹介していこうかと思います。
①特殊な水をそのまま使う
温泉水、海水などがそれにあたります。
温泉水はどこどこの温泉の水源から直接汲んできて、
殺菌処理(熱処理)して水の代わりに使います。
温泉のストーリーをそのまま流用できるほか、
温泉の効果効能も示唆することができます。(謳うことはNGですが)
ミネラル等が含まれているので、水よりも保湿性は高いです。
海水は深層海洋水って場合が多いです。
深海から海水をくみ上げて、塩分を除去して使います。
深海は微生物が少なく、腐りにくいというのが特徴。
ミネラル分が豊富で、海水は人の水分組成に近いことから
肌馴染みがよいとされます。
②樹木からとる
シラカバ樹液やサトウカエデ樹液なんかがそれにあたります。
樹木は地下から水分を吸収して、木全体に水分を巡らせているわけですが、
樹木にストロー状のものをぶっ刺すと、樹液を取ることができます。
ドバドバ出てきますので、それを集めるだけです。
生体でろ過されるため、有害なものは含まれることはなく、
植物の生長に必要な成分が豊富に含まれています。
非常に高い保湿性と成長因子様作用を有しています。
欠点として腐りやすいってのと、一定の期間しか取れないってこと。
③蒸留水
精油を作る際、植物を蒸気で加熱することでオイルと水分を蒸発させます。
その蒸気は冷やされるとオイルと水に分離します。
オイル部分が精油で、水が蒸留水になります。
精油を作る際にできた副産物を水の代わりに使用します。
ラベンダー水、ローズ水とかになります。
純水とほぼ変わらないのですが、においがついています。
副次的できたものなので、比較的安く手に入ります。
果実水なんかも同じ水蒸気蒸留で作られます。
においのついた水で、果実のにおいのする水になります。
④発酵液
最近の流行ではあります。
通常、発酵といえば素材そのものを発酵させるというイメージが強いと思います。
例えば牛乳を乳酸菌で発酵させたものがヨーグルト、ダイズを納豆菌で発酵したものが
納豆になります。
例えば、ヨーグルトを水で薄めたらヨーグルトと水を表記する必要がありますが、
水に牛乳と乳酸菌を入れて発酵させたら牛乳発酵液になるわけ。
水の代わりとして使える発酵液は、水分量の比率が高い状態で発酵したものになります。
ヨーグルト100g作る材料で10kg発酵液を作れば、価格は1/100で作れるってわけ。
水の代わりに使うから、通常の発酵液とか多くて1%とかですが、
90%近く使うので、たくさん売れるので、十分商売として成り立つわけです。
水の代わりに使えるとはいえ、本来コストゼロのところを
1000~2000円/kgかかるわけで、原価を圧迫することには
かわりないのですよね。
その分、機能成分加えた方がコスパはよくね?
となって、今はこの方面には手を出していません。
まあ、水をこだわっているってのは、それだけ意識高いとこなので
変な商品は取り扱ってはいないと思います。
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