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ヒドロキシエチルウレア

尿素誘導体

最近、よく目にする原料なんですが、ヒドロキシエチルウレアは

いわゆる尿素誘導体と呼ばれるものです。

 

尿素の化学式がこちらとなります。

原料としてはGmoist HEU(エア・ブラウン)と

HYDROVANCE(ヌーリオン・ジャパン)で購入できます。

比較的安価で使い勝手もよいんだとか。

 

あとは資生堂がめっさ力入れて研究しているってのもよく使われるように

なった要因なのかもね。

 

尿素はそもそも天然保湿因子の1つとして、肌の保湿に貢献している成分。

水素結合によって水を抱え込むため、水分をため込む効果があるわけ。

 

水素結合とはなんぞやって話ですが、酸素と水素の間で電気的な結びつきが

起こることで、非常に緩い結合となります。

酸素は若干のマイナスを帯びており、水素は若干のプラスを帯びており、

それが引き合うってこと。

尿素の酸素部分、水素部分2つが水の酸素と水素で水素結合を起こすわけです。

1つの尿素で3つの水分子を抱えるってわけ。

 

タンパク質間でも水素結合によって、結合しているんですが、

尿素はこの間に割って入ることで、タンパク質間の結合を壊すことができます。

その結果、タンパク質間に隙間が生じるため、タンパク質が柔らかくなります。

同時に隙間から成分が入りやすくなるので、導入液としても作用します。

 

肌が柔らかくなって、美容成分が浸透しやすいなんて最高じゃんって思うかもですが、

まあ、デメリットもあります。

1つはタンパク質の結びつきを弱めるため、離脱が起こりやすくなります。

簡単に言えば、角質がはがれやすくなります。

古い角質を落とすというメリットがありますが、古い角質が無くなれば、

新しい角質がはがれてり舞うことになるので、肌が薄くなります。

 

最終的には未成熟な角質がむき出しとなるので、様々な肌トラブルを誘発します。

 ですので、顔用のスキンケアで使用されることは稀です。

天然保湿因子として微量に入っている分には問題はないんですけどね。

 

尿素のデメリットを補完したのがヒドロキシエチルウレアということになるのかな?

尿素と比較して、刺激性が低いとされます。

 

ただ、構造式を見てもわかるように、水素結合する部分は増えており、

より水分子を吸着させます。

 

とはいえ、保湿効果はグリセリンと同程度になります。

 

タンパク質間の水素結合に対しても尿素よりも高いと考えられます。

尿素誘導体といわれますが、おそらくは誘導しません。

そのままで高い活性があるように設計されているものだと思われます。

 

尿素よりも効果が高いため、低濃度で運用できるってことで、

刺激性が低くなるって感じなんだろうなーと。

ヒドロキシエチルウレアを高濃度で使えば、尿素を同等の濃度で

使うよりもひどいことになると思われます。

 

まあ、使っているところは百も承知でしょうから、わけわからん濃度を

入れるってことはまずないでしょうけどね。

推奨濃度は1~5%です。

 

 

髪を柔らかくする効果があるってことで、ヘアケア製品にも多く使われています。

尿素を高濃度配合するよりかは全然良いとは思うんですが、ヒドロキシエチルウレアを

高濃度で配合している製品もでてきているようでして・・・

 

上手く使えればいいんですけど、みんながみんな賢い使い方なんて

できるわけもなく。

 

まあ、ヒドロキシエチルウレアが前のほうに書いてある製品はちょっと気をつけた

ほうがよろしいでしょう。

 

 

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