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ツバキ種子発酵抽出液が老化細胞を除去する?!

メモリーT細胞を誘引するCXCL9の発現を高める効果があるそうな

老化細胞は分裂を停止した細胞のこと。

分裂や紫外線などによって細胞内にある遺伝情報に深刻なダメージが出た場合、

細胞は分裂できなくなります。この分裂がストップできなかったものは

ガン細胞と呼ばれます。

 

老化細胞とはいいますが、若いうちでも老化細胞は発生しており、

それが正しく処理できるときは問題にならないのですが、

加齢に伴いその処理能力が落ちてしまい、老化細胞がいつまでも

居座り続けることになります。

質の悪いことに、老化細胞は周りの細胞も老化細胞へと誘導します。

この老化細胞を除去するということは、アンチエイジングには欠かせない

課題なわけです。

 

資生堂はマサチューセッツ総合病院皮膚科学研究所( との共同研究により、

CD4 CTL (メモリーT細胞)が皮ふにおいて老化細胞を選択的に除去することを

見出しています。

 

メモリーT細胞とは、獲得免疫系において中心的な役割を果たす細胞であり、

一度体内に侵入した病原体に対する免疫応答を記憶し、再感染時に迅速かつ

効果的に対応する能力を持っています。

 

ワクチンを打つ目的は、このメモリーT細胞に記憶させることで、

実際に感染した際に体が迅速に反応できるようにするわけです。

 

CD4CTLは正確にはCD4癌特異的リンパ球のことを指します。

 

老化細胞はガン細胞の素ですので、CD4CTLが老化細胞を除去するってのは

納得な話です。

 

また、表皮角化細胞から産出されるタンパク質CXCL9がCD4 CTLを

老化細胞がある場所まで誘引する因子であることを見出してきました。

CXCL9(ケモカインリガント9)はサイトカインの一種。

白血球の走化性を誘導することが知られています。

 

じゃあ、CXCL9を増やすものはないかと探したら、

ツバキ種子発酵液にCXCL9を誘導する効果があることを見出したってわけ。

 

ツバキ種子発酵液は日本酒造老舗のヤヱガキ酒造と共同で開発したそうな。

おそらくヤヱガキ醗酵技研でだと思われます。

長崎県五島列島に古くから自生するヤブツバキの種を麹菌で発酵したものになります。

表示名はアスペルギルス/ツバキ種子発酵エキス液

資生堂の留め型となっていると思われるので、残念ながら入手は不可。

すでにいくつかの資生堂の製品で配合されています。

 

ツバキ種子発酵液によってCXCL9の発現量が増えるのですが、

正直微妙な増加ではあります。

一応、有意差ありとなっているのですが、紙一重といった感じ。

また、理論的にはCD4CTLが老化細胞を促すのですが、

実際に老化細胞が除去されたというデータは示されていません。

 

今後、確固たるエビデンスが示される可能性は十分にありますが、

現段階では老化細胞を除去してくれるかも・・・って感じかな。

 

 

老化細胞を除去するのは抗ガン作用が一つの鍵となるのかもなー

フコイダンエキスはガン細胞を特異的にアポトーシスへと誘導する

ことがわかっていますが、もしかしたらフコイダンエキスには

老化細胞を除去する効果があるかもしれませんね。

 

 

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