レチナール0.1%配合ってすげーな
プレスリリースで流れてきたんですが、レチナールを配合した化粧品が
日本で初めて販売されたとかなんとか。
マジかーってなったわ。
レチナールとは何ぞやって話ですが、レチノールとレチノイン酸の中間物質になります。
資生堂がシワ改善効果で医薬部外品に登録したことにより、知名度が爆上がりした
レチノールですが、その上位互換といってもいいかな。
実際に肌の代謝を促進するのはレチノイン酸であり、肌で代謝される必要があります。
レチノールはいったんレチナールに変換されて、そこからレチノイン酸に変換されます。
工程が1つ少ない。
じゃあ、直接レチノイン酸を使えばよいのでは?と思う人もいるかもですが、
レチノイン酸は医薬品成分で化粧品では使用不可。
しかも刺激性が滅茶苦茶高い。
効果はレチノールの100倍ともいわれますが、レチノイド反応も同じくらい高いです。
つまり、レチナールはレチノールとレチノイン酸の真ん中くらいの
効果があり、刺激性も中間といった感じになります。
そんなレチナールを0.1%も配合した化粧品が販売されているそうな。
医薬部外品のレチノールの濃度が0.1%が上限であるので、
それよりも効果が高いのは間違いないでしょうね。
レチナール + NADPH + H+ → レチノール + NADP+
レチノール + NAD+ → レチナール + NADH + H+
(レチノールデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼが触媒として働く)
レチナール + NAD+ + H2O → レチノイン酸 + NADH + H+ (レチンアルデヒドデヒドロゲナーゼにより触媒)
レチノール + O2 + H2O → レチノイン酸 + H2O2 (レチノールデヒドロゲナーゼにより触媒)
レチノールが直接レチノイン酸になる反応があり、
この反応で活性酸素が発生するため、これが炎症を引き起こすことがあります。
この反応がない分、もしかしたらレチナールのほうが刺激性は少ない?
懸念点としては、レチナールの安定性ですよねー
何らかの対策はしているとは思いますが、レチナール自体の安定性は
低いと考えられます。
失活するだけなら問題ないんですけど、レチナールからレチノイン酸になるのって
酸化反応なんですよね。酸素が1個くっつくだけなんです。
酸化してレチノイン酸にでもなった日にゃ、まあ大変。
レチノイン酸は医薬品でしか使えないわけで、医薬品成分が入った化粧品ってのは違法。
回収案件となるわけ。
また、医薬品の無許可販売となるため、捕まるんよな・・・
なかなかにリスクが高いです。
原料はLaboratory Skin Careが製造しており、
IMCDという商社が取り扱っています。
製品名はHydroxysomes® Retinaldehyde
表示名称はヒドロキシアパタイト、レチナール
ヒドロキシアパタイトは歯や骨といった生体硬組織の主要構成で、
カルシウム、リン、マグネシウムなどで構成されます。
多孔質となっているので、そこにレチナールをはめ込んでいる感じ。
これで安定性を担保できるのかはちょっと疑問ではあるかな。
容器をエアレスにしておくほうが無難でしょうね。
メーカー曰く、レチノールがレチノイン酸となるのは2%に過ぎず、
レチナールは20%がレチノイン酸となるので、効果は20倍なんだそうな。
つまり、レチナール0.1%配合しているわけで、レチノール2%に相当すると。
まあ、どの道レチノイド耐性が高まるだけで、最終的には効果は変わらんと思うけどね。