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ポリデオキシリボヌクレオチド

polydeoxyribonucleotide(PDRN)

ポリデオキシリボヌクレオチド(PDRN) は、デオキシヌクレオチドの重合体で、

ようはDNAの断片になります。

DNAはデオキシリボ核酸の略称で、DNAを構成しているのがデオキシヌクレオチド。

ポリってのが重合しているってことなので、デオキシリボヌクレオチドが連なっている

ものがPDRNというわけです。

分子量は、50塩基から2000塩基と幅があります。

 

 

韓国やイタリアで組織修復作用から医薬品として使われているそうな。

鮭の精巣から抽出したもので、DNA-Naと表示されます。

食品のほうはサケ白子抽出物と表記されることが多いかな。

 

イタリアでの192名のランダム化比較試験が行われたのですが、

実験期間は8週間。糖尿病による足の潰瘍の完全治癒率を調べた結果、

PDRNの注射で約37%、偽薬で約19%、治癒完了までPDRNで平均30日、

偽薬で49日となったとか。

 

動物実験でも傷の治りが早くなるとのデータが色々でているとのこと。

 

まあ、どれも注射なのですけどね。

サーモン注射なんて呼ばれているらしいです。

作用機序はよくわかってないんですが、創傷治癒効果を高めるとのことで

使用する人がいるとかいないとか。

 

注射ではエビデンスがあるのですが、個人的には経口投与、塗布では

無意味だと思っています。

アンチ過激派です。

DNA-Naが入っていたら、それだけでクソ認定するくらいには。

 

経口投与については、核酸なんて結構な量を摂取しているわけです。

野菜や果物、肉魚、卵にだって核酸は含まれています。

生き物すべてに含まれているわけですから。

乳酸菌や麹菌にも含まれていますので、発酵食品にもたくさん含まれます。

プラセンタエキスにだって当然含まれています。

 

仮に何かしらの効果があるとしても、わざわざサプリメントで摂取する必要性は

一切ないと考えられます。

まあ、消化、分解されて自身の核酸の複製などに使われることになるのは

間違いないのですが、それにより何か良い変化があるかといわれると疑問ではあります。

 

そもそも、たくさん摂取しているんだし。

まあ、加工食品ばかり食べてたら、不足するかもですが。

 

塗布についても意味はないと思っています。

PDRN配合と謳っているところはあまりないですが、

核酸が入っている化粧品をたまに見かけます。

だいたいは韓国コスメと呼ばれるものですけど。

 

塗布の効果も懐疑的ではあります。

サケ白子由来DNA-Naを3%配合したクリームを顔に塗布。

12週間後、ブランクと比較したもの。

肌水分量としては1割くらい増えたって感じかな?

有意差があるかどうかは微妙なところ。

まあ、そもそも3%も配合しているとこなんて稀ですし。

 

他の遺伝子なんて異物以外の何物でもないわけで、

基本的には細胞に取り込まれません。

意図的に侵入してきて悪さをするのがウイルスなわけですからね。

仮に入ってきたら、細胞のセントラルドグマを利用して、

タンパク質が発現してしまいます。

それこそ異物を生み出すわけです。

 

ヌクレオチドまで分解していれば、わからんでもないですが、

PDRNを塗っても効果があるとは個人的には思えないんですよ。

 

個人的にはこの原料、反吐が出るくらい嫌いなので、

公平な評価ではないため、その辺はご理解いただければと。

 

あくまで個人の感想です。

 

 

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