LIPIDURE(リピジュア)について
リピジュアは日油のオリジナル原料で、まあ滅茶苦茶売れています。
被膜性に優れており、ハンドリングも楽なため、化粧水からシャンプー、トリートメントなど
幅広く使われています。
リピジュアが疑似セラミドだという間違った情報が出回っているようなので
詳しくご紹介していこうかと思います。
リピジュアは人工臓器の表面処理剤として開発された「生体適合性」
を特徴としたポリマー素材です。
異物を体に入れると拒絶反応が起こるわけですが、
リピジュアで覆うことでそれを防ぐことができるというもの。
細胞膜はリン脂質が二重膜構造を取ることで構成されています。
リピジュアはリン脂質をモデルにしており、ホスホリルコリン基をもった
重合体となっています。
リピジュアシリーズとして、5種類存在しています。
一番化粧品で使われているのはLipidure®-PMBで
表示名称はポリクオタニウム-51
非常に高い保水性があり、ヒアルロン酸の2倍の保水力があるといわれます。
被膜形成剤として使用されます。
Lipidure®-HMは表示名称がポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン
PMBと同様、スキンケア用の原料となっていますが、あんまり見ないかな。
Lipidure®-Aは表示名称がポリクオタニウム-65
Lipidure®-Cは表示名称がポリクオタニウム-64
どちらもヘアケア用の原料となります。
Aはアニオン性高分子でCはカチオン性高分子となっています。
髪にうるおいを与えると共に、コンディショニング効果で髪を保護します。
Lipidure®-S は表示名称がポリクオタニウム-61
こちらもヘアケアで使用されます。
両連続相マイクロエマルション(BCME)を形成することから、
昨今注目されている成分です。
BCMEってのはこんなやつ。
シャンプーでは非常に困難だった油剤をたくさん配合した
オイルシャンプーなるものを作ることが可能となります。
基本的には高分子なので浸透することはなく、皮膚表面に
膜を形成します。
疑似セラミドは油溶性の物が多いのですが、リピジュアは水溶性になります。
非常に優秀な膜を形成するので、バリア性はセラミドに勝るとも劣らないもので、
保湿性も非常に高いです。
また、生体適合性が高いので、刺激を感じることもなければ
炎症を起こすこともないく、安心して使えます。
物理的に膜を形成するので、アンチポリューション効果もあります。
紫外線のダメージを軽減したり、花粉や排気ガスなどが肌に接触するのを
防いだり、菌やウイルスから肌を守ってくれます。
そのくせ、被膜感があんまりなく、モロモロとかできにくいってこともあり、
色々な企業が採用しているってなわけさね。
入っていれば嬉しい成分ではあるかな。
弊社もシャンプーとトリートメントに配合しています。
ヒアルロン酸の上位互換と考えてもらって差し支えないですが、
サクランがリピジュアの完全上位互換なんよなー