ストレスで肌のバリア機能は低下する
コーセーの研究発表で、心理的ストレスによって表皮中に
アドレナリンの濃度が高まることで、肌のバリア機能が低下する
ことが明らかとなりました。
以前、ポーラがストレスによって肌が荒れる原因は表皮の体温の低下で、
それに伴いタイトジャンクションが乱れることだとの発表をしていました。
その体温が下がるの原因がアドレナリンというホルモンだったってことなのかな?
アドレナリンは、腎臓の上にある副腎の髄質から分泌されるホルモンで、
生命の危機的状況下で分泌が高まります。
闘争本能の源であり、集中力、やる気などに関わってきます。
不足するとうつ状態になるので、生きていくには欠かせないホルモンとなります。
ストレスホルモンとしては、コルチゾールやノルアドレナリンなども含まれます。
今回の研究はアドレナリンにフォーカスしたわけです。
ストレスにさらされていると、アドレナリンが表皮に蓄積されるんだとか。
アドレナリンはタイトジャンクションの形成を阻害し、結果として
肌のバリア性が低下し、乾燥を招くと。
実際、高ストレス下では表皮のアドレナリン量が増加する傾向にあり、
高アドレナリン状況下ではタイトジャンクションが乱れるとの結果になっています。
ただ、アドレナリンは交感神経を刺激するので、体温を上げる作用をするんよな。
ポーラの研究とは別のメカニズムになるのかな?
細胞同士の接着に乱れが生じるという現象は同じなんですけどね。
また、オクルディン遺伝子の発現低下が確認されたとのこと。
オクルディとはタイトジャンクションを形成するタンパク質の1つ。
また、炎症誘発因子の一種であるIL-6というサイトカインの増殖が確認されており、
アドレナリンが炎症を引き起こす可能性も示唆されています。
さて、コーセーはこれをどのように製品へと落とし込んでいるのでしょうか?
コーセーはオタネニンジン根エキスに着目し、オタネニンジン根エキスが
アドレナリンにより誘発されるIL-6を抑制することを見出しました。
簡単にいえば、アドレナリンによって引き起こされる炎症を
オタネニンジン根エキスが抑制しますよってこと。
オタネニンジン根エキス、いわゆる高麗人参エキスなわけですが、
抗炎症作用は昔から言われていた作用で、おそらくはアドレナリンによる
炎症に対する特異的な反応ではないと思われます。
甘草エキスとかツボクサエキスなんかでも、そこまでの差はないかなーと。
何ならグリチルリチン酸2Kなどの抗炎症剤でもよいのではないかと。
タイトジャンクションを正常化するマンダリンクリアも
アドレナリンに対する反応に作用しているのかもしれないですね。
また、マンダリンクリアと抗炎症成分の併用は相乗効果があるのかも。
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