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紫外線により質の悪いコラーゲンが作られる

紫外線が老化の原因といわれる所以

ファンケルの研究発表によりと、紫外線によるダメージで、

コラーゲン線維の柔軟性が失われるとのこと。

 

皮膚の線維芽細胞に紫外線のUVAを照射した後、数日間培養してコラーゲン線維を作り出し、

コラーゲン線維の柔軟性を計測しました。 その結果、紫外線照射によるダメージを受けた細胞

から生み出されたコラーゲン線維は、ヤング率が紫外線ダメージのない細胞に対して3倍以上も

増加したとのこと。

 

ヤング率ってのは高いほど固いってことを意味していると思っていただければOKです。

コラーゲンが固くなる=弾力性に欠けるってわけ。

 

弾力性の欠けたコラーゲンは皮肉にも脆くなります。

コラーゲンは肌の構造を支える柱のようなものです。

シワやたるみはコラーゲンが脆くなって構造を支えきれなくなることで起こります。

 

コラーゲンが脆くなる原因としては糖化が挙げられますが、

紫外線を浴びた繊維芽細胞から作られるコラーゲンも脆くなるってことが

分かったわけです。

 

まあ、in vitroでの実験ですので実際の肌ではどうなるかは何ともいえないですが・・・

だって、紫外線は絶対浴びないってわけにはいかないですし、

若い頃に浴びたからといって、シワやたるみになるわけではないですからね。

 

おそらくですが、紫外線からのダメージをケアする仕組みがあり、

加齢によってそのないかしらのシステムに不備が生じ、

紫外線がシワやたるみなどの老化の原因となるのだと思われます。

 

それが抗酸化なのかオートファジーなのかはわかりませんが、

これに対応する必要性があるというわけです。

UVケアに新たな価値観を提示していく・・・のかな?

 

 

紫外線のダメージによってコラーゲン線維の柔軟性が失われ、

質の悪いコラーゲンを生み出す細胞に、加水分解コラーゲンビタミンC誘導体

を加えることで、柔軟性が失われず、本来の柔軟性を持ったコラーゲン線維を生み出す効果を

発見したとのこと。

 

UVを当てたあと、加水分解コラーゲンないしビタミンC誘導体を添加したら、

ちゃんとしたコラーゲンを作るようになったってこと。

 

そもそも、なんで紫外線を浴びた線維芽細胞が弾力性に欠けたコラーゲンを作るのか?

って話ですが、一番簡単な理屈は紫外線によってDNAにダメージが入り、

細胞がダメになってしまったというもの。

 

しかしながら、加水分解コラーゲンなどを添加することで、

機能が回復するのであれば、この可能性は否定されるわけ。

 

つまり、UVを引き金に何かしらの変化を線維芽細胞にもたらすわけですが、

その変化を加水分解コラーゲンやビタミンC誘導体がキャンセルしてくれるということ

だけは明白となったと。

 

メカニズムはさっぱりわからんけども、共通項はコラーゲン生成を促進するちゅうこと。

加水分解コラーゲンはコラーゲンの生成を促すことが知られています。

直接コラーゲンの材料となるわけではなく、コラーゲンの生成を促すってエビデンスは

沢山でています。

一方、ビタミンCはコラーゲン合成酵素の補酵素にあたります。

コラーゲン合成酵素が活性化されれば、コラーゲン合成が促進されます。

 

おそらくではありますが、コラーゲン合成を指揮する女性ホルモンと

同じ働きをするイソフラボンにも同様の効果が期待できると思われます。

 

 

ここから導き出されるのは、コラーゲン合成に何かしらの枷ができるのではないか?

紫外線を浴びると。

 

で、その枷はコラーゲン合成を促せば取れると考えられます。

 

 

さらに言えば、コラーゲンに限った話ではなく、エラスチンやヒアルロン酸等の

生成にも紫外線は支障をきたすのではないかと。

で、これらも合成を促してやれば、正常なものを作るようになるのではないか?

 

まあ、あくまで推論ですけど。

そんなに外してはいないとは思いますけどね。

 

そもそも論で、紫外線を浴びないように日焼け止めをしっかりつけていれば

問題にならない話ではあります。

 

 

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