紫外線を可視光に変換するコラーゲンペプチド複合体

化粧品・健康食品のOEMメーカーである天真堂が開発した「光るコラーゲン」が
業界内では話題となっています。
紫外線をあてると青色に光るコラーゲンペプチド複合体を開発したとのこと。
魚鱗由来の加水分解コラーゲンペプチドに糖(キシロース)や亜鉛を添加することで
上図のように光るようになるんだとか。
魚鱗由来ってことはテラピアの鱗から取れたコラーゲンだと思われます。
一般的な魚由来のコラーゲンで一番安価なものとなります。
キシロースは木糖と呼ばれる単糖で、キシリトールの原料となります。
腸内で吸収されにくいほか、α-グルコシダーゼ(消化酵素の一種)の活性を
阻害することから、糖の吸収を抑える効果があるとされます。
コラーゲンペプチドにくっつけるのではなくて、一緒に混ぜ込むだけで
こうなるのは不思議ですねえ。
混ぜるだけなのでマネされやすいため、特許出願中とのこと。
光らせてどないすんねん・・・と思う人も多いかと思いますが、
これ、日焼け止めに応用できるんです。
光るってのは何をしているのかというと、紫外線(UVA)を可視光に変換しているわけ。
このコラーゲンペプチド複合体にUV-Aの波長 (380~315 nm)を通すことで
青色の波長(380~500nm)に変換できるというわけです。
これは何を意味するかというと、今までは日焼け止めといえば、
紫外線を吸収するか、散乱させるかの2択だったわけですが、
第3の選択肢、紫外線を無毒化させるってのができるってなわけさね。
まあ、ブルーライトが無毒化どうかってのは議論の余地があるのですが、
少なくとも紫外線ほどの害はないです。
毒性を著しく抑えるって表現すれば問題ないか。
これはかなり画期的な話で、既存の紫外線吸収剤、紫外線散乱剤と併用することで、
それらの量を極端に抑えても十分な日焼け止め効果が期待できるものができる
可能性があります。
そうすることで使用感の良いもの・・・白浮きしたり収斂作用によるつっぱりを
気にせずに製品設計できたり、刺激性の低い製品の開発につながると思われます。
また、青く発光することで、肌の透明感が増し、キレイに見えるという
効果も期待されます。
今年に入って発表があったばかりですので、実際に製品への応用はこれから。
今年の夏までに間に合うかどうかはちょっと怪しいかな。
情報がプレスリリースしかないので、詳細は一切わからんのよなー
表示名称がどうなるかとか、実際のSPF値やPA値に与える影響とか、
他に混ぜた時の影響とか、知りたいことは多いですが、
直接問い合わせるしかないのよなー
冷やかしで問い合わせるのはちょっとね。。。
まあ、化粧品開発の幅を広げることは間違いないので、
今後も紫外線の波長を変える系の原料って出てきそうではあります。
資生堂のサンデュアルケア技術ってのもこれに属するものかな。
これはスピルリナプラテンシスエキス+酸化亜鉛+PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル
の混合物によって、太陽の光を変換してスキンケアするといっていますが、
おそらくはメカニズムは光るコラーゲンと同じだと思われます。
そう遠くないうちに、これがトレンドになる日が来るかもね。
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