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ニンジン由来のエクソソーム

ニンジン小胞

ニンジン小胞という名で売られている原料があるんですが、

韓国の原料メーカーが出しているようで。

ICP EPOTF Exosome Carrot(エポティフ エクソソーム ニンジン)という原料になります。

 

エクソソームとは何かというと、細胞から分泌される50-150 nmの顆粒状の物質で、

細胞膜の中に核酸、タンパク質が含まれたものになります。

細胞間の情報伝達物質といった感じかな。

 

近年明らかとなった具体的な例は、真皮細胞から放出されるエクソソームを

表皮細胞が受け取ることで、基底膜の修復が促されるのですが、

真皮細胞がメラニンを取り込むとエクソソームが変化して、そのエクソソームでは

基底膜の修復が行われないってのがあります。

 

エクソソームの由来となる細胞ごとに持っているメッセージは異なるのだと思われます。

 

一般的にはヒトの細胞からエクソソームを得たものが使われていますが、

エクソソームはほとんどの生物で見られるものです。

植物由来のエクソソームってのも当然あるわけです。

 

食べ物としてヒトはエクソソームを摂取しており、外因性エクソソームの

影響を受けているんだとか。

むしろ欠かせないものらしい。

 

エクソソームにはmiRNAが含まれています。

miRNAとは20前後の塩基で構成された非常に短いRNAで、

タンパク質をコードしているものではないRNAのことです。

 

miRNAは何をしているかというと、mRNAの翻訳を阻害することで

酵素などのタンパク質の量を調整しているといわれます。

 

外部から摂取したmiRNAが体内で機能することがわかっており、

さらに外部からしか摂取できないmiRNAも存在していることもあり、

外因性エクソソームが注目されるようになってきています。

 

色々な植物があるなか、ニンジンを選択しているわけですが、

まあ、それなりの理由はあるとは思います。

 

八百結びのにんじんってのがありまして、特殊な土壌で栽培されたニンジンで、

1本のニンジンから25兆個を超えるエクソソームが検出されたって記事がありました。

 

これとは全く関係ないとは思いますが、ニンジンはエクソソームを作りやすい

のかもしれませんねえ。

 

八百結びのにんじんは経口投与でエクソソームを摂取するってことに

意義を見出しているわけで、塗布は想定されていません。

(まあ、そのうちでてくるかもですが)

 

美容医療でもエクソソームの注入を行っていますが、

植物由来のエクソソームが使われることはないです。

 

エクソソームはそもそも細胞間の伝達物質なわけですから、

ニンジンの細胞間で行われているものと、肌の細胞で行われている

コミュニケーションが同じなわけないです。

言語が違うといってもよいです。

 

如何ほどの効果があるのか、そもそも本当に効果があるのかはわかりません。

 

一応、下記の効果が期待されるとされてはいます。

●フィラグリン・ロリクリンの発現向上

●AQP-3の発現向上

●コラーゲン・エラスチンの発現向上

●17型コラーゲンの発現向上

●メラニン産生の抑制

●IL-6、TNFαの発現抑制

 

 

原料としては、美白原料として販売しているようです。

正直、データがないので何とも言えん感じです。

 

 

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