※セラミドは保湿成分
セラミドの役目は主に3つあります。
1つは角質細胞同士をつなぐ接着剤としての役目
角質細胞は角質化した死んだ細胞ですので、
セラミドがないと、ボロボロ剥がれてしまいます。
2つ目は保水作用
数ある保湿成分のなかでも、トップクラスの保湿力です。
セラミドが少なくなれば、あっという間に乾燥肌です。
体内の水分を保つために、皮脂も大いに役に立ちますが、
肌の保湿の80%はセラミドに依存しています。
3つ目はバリア機能
紫外線、細菌、ホコリなどから肌を守り、
あなたと世界を隔てる壁がセラミドなのです。
セラミドが不足すると肌が荒れるのは、
乾燥の他に、アレルゲンの侵入を許してしまうからです。
セラミド名 | 効果 |
セラミド1 | 水分保持の働きがあり、外部の刺激を防ぐバリア機能を持っている |
セラミド2 | 皮膚の保湿力が強い |
セラミド3 | 水分を保持し、シワを抑制し、減少させる |
セラミド4 | 角質の脂質バリア層を作り、保持する |
セラミド5 | 角質の脂質バリア層を作り、保持する |
セラミド6 | セラミド3と同じ働きをする他に、正常な肌のターンオーバーを促す |
セラミド6Ⅱ |
セラミド3と同じ働きをする他に、正常な肌のターンオーバーを促す |
セラミド7 | 細胞の増殖分化をコントロールし、皮膚にある菌のバランスを整える |
セラミド8 | |
セラミド9 | |
セラミド10 |
セラミドが不足すると、肌の反射不十分になり、
肌がくすんで見えます。
逆にセラミドが豊富で、セラミドと水分がキレイにラミラ層を形成すれば、
肌が明るく見えます。
乾燥による小じわは、セラミドがしっかり補充され、
保湿がしっかりできれば、改善されます。
チリメンジワなど、浅いシワには非常に効果的です。
アトピー性皮膚炎はセラミドが不足していることが分かっています。
セラミドにより、アトピーが直接的に治るわけではなく、
セラミドにより、バリア機能が向上することで、
アレルゲンの侵入が抑えられ、炎症が治まっていくという流れです。
ですので、セラミドを補ったら即効でアトピーが治まるものではなく、
時間がかかります。
同時に炎症を抑えるものと一緒に塗布することで、
効果は早くなります。
The receptor LMIR3 negatively regulates mast cell activation and allergic responses by binding to extracellular ceramide.
(Immunity, 37, 827-839 (2012)
LMIR3と細胞外のセラミドとの結合はマスト細胞の活性化とアレルギー反応を抑制する
マスト細胞(脂肪細胞)は、抗原が作用すると、
活性化し、アレルギー反応を助長します。
アナフィラキシー,気道炎症,皮膚炎などなど・・・
一度活性化したマスト細胞の働きを沈めるのがセラミドだった、
という内容の論文です。
体内での話なので、化粧品とは関係はないんですがね。
The effect of a hydrocolloid dressing containing ceramide-2 on split-thickness wounds in a laser-induced erosion model.
(分割層創傷における、セラミド2を含むハイドロコロイドドレッシングの効果)
世界創傷治癒学会で報告したセラミドの研究論文。
セラミドが傷を治す手助けをする可能性を示唆した論文。
皮膚に存在するセラミドが周辺細胞、とりわけ神経細胞にもたらす
影響について調べた研究。
肌のセラミドは肌の神経の制御にも関わっている可能性が示唆されました。
FUNCTIONS OF LIPIDS ON HUMAN SKIN
(Journal of Dispersion Science and Technology Volume 10Issue 4-5, 1989 )
セラミドが減少すると、著しく肌の保水性が低下し、
セラミドを塗布することで保水性が回復することを示した論文。
(J Invest Dermatol. 1991 Apr;96(4):523-6.)
アトピー性皮膚炎の原因として、セラミドの減少を指摘した論文。
セラミド1の減少が顕著だったとのデータはこの論文によるもの。